今日はちょっと硬い話ですが今、国民的関心事がTPP。
新聞でも
ネットでも
毎日取り上げられていますよねぇ。
昨日、母親の暮らす施設に面会に行った時もコミュニティルームのテレビでTPP加盟の是非を討論する番組を放送していました。
ちょっと気になったのは母親の暮らす施設って認知症専用の棟なんですが・・・こんな番組を観て・・・理解することが出来るんでしょうかねぇ?
閑話休題、本題に戻ります。
このTPPって一体どんなものなのでしょう?
ちょっと調べてみましたよ。
TPP、Trans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement
と言うらしくて、加盟国の間で工業品、農業品を含む全品目の関税を撤廃し、政府調達(国や自治体による公共事業や物品・サービスの購入など)、知的財産権、労働規制、金融、医療サービスなどにおけるすべての非関税障壁を撤廃し自由化する協定なんだとか。
2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国が域外への経済的影響力を向上させることを戦略的な目的として発効し、運用している。
現在、加盟国4か国と加盟交渉国5か国が、拡大交渉を行っている。
うぅ~ん、意外に少ないんですねぇ。
ではそのTPPに我が国が加盟した時のメリットとデメリットについて考えてみましょうか。
まずはメリットの方なんですが
1.日本の工業製品をはじめとする輸出量が増えて『貿易利益』が拡大する可能性がある。
2.消費者がより安い価格で食品・商品を買えるようになる。
3.TPPの交渉会議で国際的なルールづくりに参加できる(後から遅れて入ると初めから決められていたルールに従う他なくなる)。
4.国内企業がFTA・TPPを結んでいる外国に生産拠点や本社機能を移そうとする『海外移転(オフショアリング)』を抑制できる。
5.経済競争が激化することで企業努力が促進され景気が刺激される。
6.少子高齢化や現役労働者層の減少で縮小していく『内需』を『外需(貿易)の増大』でカバーできる。
7.関税障壁の撤廃で経済活動が促進することになり、金融市場(株価)の景気が良くなる。
8.『経済的な相互依存性』がアジア太平洋地域の安全保障環境を改善させ日米同盟を深化させる。
など結構たくさんおメリットがあるんですねぇ。
でも、メリットばかりならこんなに加盟反対の意見は出ないはずですから・・・デメリットもあるんでしょうねぇ?
TPP参加のデメリット
1.外需に頼る輸出産業の大企業以外には経済成長のメリットが乏しい可能性がある。
2.安価な農業品が輸入されて国内の農業が打撃を受ける。
3.物価が安くなってデフレ経済が更に悪化して、国内の従業員の給料も安くなる。労働力の移動の規制緩和によっては失業率が上がる恐れもある。
4.農作物や食品の安全管理基準が統一化されても日本よりも基準が甘い可能性がある(食の安全性に対する不信)。
5.経済競争が激化することで企業体力が低下して景気が抑制される。
6.『円高の持続・放射能汚染の風評被害・労賃コストの高さ』などで日本の製品・農業品が売れにくい恐れがある。
7.(日本の農業の競争力が上がらない場合には)食糧自給率の低下が起こることで『投機的な穀物・食品市場の影響』を受けやすくなり、食糧安全保障上の問題が起こるかもしれない。
8.アメリカに有利な国際標準を押し付けられたり、(中国に対抗するという意味合いでの)アメリカ中心のアジア太平洋地域の安全保障環境に組み入れられる。
思った通りデメリットも多いんですねぇ。
これらのメリット、デメリットだけでなく日本がTPPに参加すべき理由のひとつとして言われることに、韓国がEUやアメリカと“FTA(自由貿易協定)”を結んでいるので、TPPに参加しないと『韓国をはじめとする新興工業国』に貿易競争で遅れを取るという理由もあるのだそうです。
そして日本のTPP参加による経済効果の試算は、内閣府はGDPが2.4~3.2兆円増加するといい、農水省は11.6兆円のGDP減少と雇用の340万人減少が起こるとしていて、経産省はTPPに不参加の場合は参加した場合に比べて、GDPが10.5兆円減少して雇用が81.2万人減少するとしているのだそうです。
調査する母体によって試算の結果は全く違いますが、TPP参加では工業・輸出部門のメリットが大きく、その反動として農業部門のデメリットが生じるという見方では一致していると思います。
つまり、メリットの大きい工業・輸出部門は参加に賛成で反対にデメリットの大きい農業部門などは猛反対をしているということですね。
うぅ~ん、参加するのかしないのか・・・行方を見守るしかありませんが・・・どちらに決まっても後味の悪い結論になりそうですねぇ。