お父さんが僕を山歩きに連れて行ってくれるようになったのは2005年の4月に静岡市の郊外の梅ヶ島と言う所から登る
安倍峠が最初でした。
お父さんは安倍峠の前に日本平には何回も連れて行ったはずだと言いますが記録が残っているのは安倍峠の時からなのだそうです。
僕も日本平はちょっと長目の散歩という感覚でいたのでやっぱり本当の山歩きと呼べるのはこの時からだと思っています。
安倍峠に連れて行ってもらった後、お父さんは一人で富士山に登って来ましたがさすがに僕には富士山は無理なので家でお留守番をしていました。
その後7月にお父さんが竜ヶ岳に登ると言うので僕も連れて行ってくれないかなぁと期待をしていました。
お母さんは「無理なんじゃないの?」と心配そうにお父さんに訊いていましたが前に一度登った事があるお父さんは僕にでも十分登れると判断して連れて行ってもらえる事になりました。
僕は嬉しくて嬉しくて登山口に向かう車の中ではテンションが上がりっぱなしでお父さんから「今からそんなに入れ込んでると疲れちゃうぞ」とたしなめられました。
犬が嫌いな人もいるからと考えたお父さんは朝早めに登山口まで行き、6時過ぎには登り始めました。
山歩きは安倍峠で慣れていましたがここの山道は明るくて富士山がいつも見えていてとても気持ちが良かったです。
頂上までは2時間近くかかってやっと着きましたが日本平だと1時間ぐらいで着いてしまうのにこっちは倍くらいの時間がかかってちょっと疲れました。
朝早かったのですが夏だったのでとても暑くてのどが渇いて仕方がありませんでした。
そんな時、お父さんはペットボトルに入れて来た水を飲ませてくれました。
頂上では記念に写真を撮ってもらったり、景色を眺めたりしてから登った道を引き返しました。
夏の暑い時だったからか朝早かったからかわかりませんがほとんど他の人には出会いませんでした。
僕はあんなに近くから富士山を見たのは初めてだったのでずっと大興奮でした。
家に帰ってお母さんがお父さんに「賢はどうだったの?」と尋ねると「楽勝で登ったから次はもっと高い所に連れて行ってやるか」と言っていました。
僕はすっかり嬉しくなって毎日の散歩をトレーニングと思ってしっかり歩こうと心に決めました。